一日に何時間勉強すれば受かるか?&睡眠時間はどれくらい必要か?

「一日に何時間くらい勉強すれば志望校に受かりますか?」という質問は、毎年多くの受験生から聞かれる質問です。この質問に対してどのような回答をしているかを紹介します。

また、この勉強時間に関連するテーマとして「受験生の睡眠時間」についても合わせて説明したいと思います。こちらもとても重要な内容です。

「早慶GMARCHへの現役合格を実現する受験戦略」シリーズ、第5回のYouTube動画はこちらです。

この動画と同じ内容を以下に文章で掲載します。

一日に何時間勉強すれば受かるか?

今回は大学受験戦略シリーズの第5回「1日何時間くらい勉強すべきか」「睡眠時間はどのくらい必要か」というテーマでお話をしていきます。

この「1日に何時間くらい勉強すれば良いんですか?」という質問は、毎年多くの受験生から受ける質問です。皆さん、どれくらい勉強すれば志望校に合格できるのか知りたいのだと思います。

ですが、確実に早慶GMARCHのような難関大学に合格したいのであれば、この「1日何時間くらい勉強すれば良いのか」という発想自体を捨ててもらう必要があります。

長時間勉強したところで、意味の無い勉強を繰り返していたら、どれだけ勉強しても合格にはつながりません。実際、昔から浪人生の中には、2浪・3浪しても受からない、と言う人はたくさんいます。時間はあまり重要ではないのです。

では、何が大事なのかというと、それは「何をやるか」つまり「内容」です。

合格のためにやるべき勉強内容をしっかりクリアできれば、それが短い時間であろうと合格できるし、それがクリアできないのであれば、何時間、何年勉強しても志望校には合格できません。

じゃあ、具体的に何をやれば良いのか、という話をしていきましょう。合格工房では、志望校に合格するための勉強内容を「年間計画表」という形で、生徒一人一人に作成しています。こちらをご覧ください。

この年間計画表は、10人の受験生がいれば、10通りの計画表が必要です。なぜなら、生徒それぞれ、志望校、現在の学力、受験勉強を始める時期などが違うからです。

なので、受験勉強を開始する時にはまず、「何を勉強するか」を明確にするために、自分専用の大きな年間計画を作成して下さい。

塾や予備校に通わずに受験するなら、まず情報収集です。

インターネットや受験関連の書籍、自分の高校の先輩などから情報収集をして、どんな参考書を使って勉強していけば良いのか、一生懸命、見通しを立てて下さい。

一番まずいのは、「何やれば良いのかよくわかんないから、とりあえず英単語でもやるか」的な発想です。

これは例えば、遠くの目的地まで車で行きたいのに、何の下調べもせずにやみくもに走り始めるのと同じです。

でも残念ながら実際にはこういう受験生すごく多いですね。だからこそ、ちゃんと計画を考えることに時間を使ったひとは、それだけで一気に合格に近づきます。

ちなみに、ここに出てくるのはすべて市販の参考書です。合格工房では市販の参考書を組み合わせた勉強方法を提案しているので、これから自分一人で勉強を始めようと考えている高校生には参考になると思います。

さて、この年間計画表ができたら、次に一週間ごとの週間計画表に落とし込んでいきます。

その方法を説明します。

たとえば、英語読解の240ページの参考書を3月~6月で終わらせたいとします。これを4で割れば、一か月あたり60ページずつ進めればよいことになります。これをさらに4で割れば、一週間あたり15ページずつ進めればよいことが分かります。

一週間で15ページですから、これをさらに7で割れば、一日あたり、2~3ページずつ進めればよいことが分かります。これが、皆さんにとっての「何をやるか」の答えです。

こうやって、英語読解、英単語、英文法、古文読解、古文単語、古典文法、そして日本史(または世界史、政治経済)といった分野ごとに、毎日のノルマを割り出していきます。

そうやって、毎週作成するのが、こちらの週間計画表です。

毎日、やるべきことが明確になったら、あとはやるだけです。毎日、その日に終わらせるべきことを終わらせていく、ここに集中してください。

時間は関係ありません。人によっては1日3時間かもしれないし、5時間かもしれません。

でもやるべきことをやれば、ちゃんと志望校合格に必要な学力は身に付きます。これを高2の3月から高3の1月まで、約11か月継続していきます。

お判りいただけたでしょうか。繰り返しますが、一日何時間やるかが問題ではないのです。何をやるかがすべてです。時間は結果でしかありません。まずこのことをしっかり理解してもらえればなと思います。

受験生の睡眠時間はどれくらい必要か?

さて、次に睡眠時間の話をしていきます。これもものすごく重要です。

実際のところ、受験勉強のために睡眠時間を削ってしまう。でもそれは逆効果で、志望校合格からはどんどん遠のいてしまうというお話をします。

勉強において重要なのはまず「何をやるか」、次に大事なのは勉強の「質」です。質というのは「集中力」と言い換えても良いでしょう。たくさんの勉強内容をしっかり理解し、記憶し、定着させるためには、高い集中力で勉強に取り組む必要があります。

そのために不可欠なのが睡眠時間です。少し想像してもらえばわかると思うのですが、寝不足で、すごく疲れている時に、良い勉強ができると思いますか?できないですよね?

ここに文部科学省が作成した、子ども達の睡眠に関するパンフレットがあります。

この中に、高校生に必要な睡眠時間が掲載されています。

これによると高校生の理想的な睡眠時間は8時間~10時間だそうです。

そして最低でも7時間が必要だとされています。

皆さん、毎日7時間以上睡眠を取れていますか?たぶん多くの高校生がもっと少ないのが実態だと思います。そしてこれが、皆さんの成績が伸び悩む原因の一つです。

皆さん、本来ならもっとできるはずなんです。なのに、睡眠不足を始めとした良くない生活習慣が原因で、自分の最高のパフォーマンスを発揮できずにいるんですね。

合格工房では、最も部活で忙しい時期でも睡眠時間を最低7時間以上確保しながら、受験勉強を進められるよう、生活指導も行っています。たったこれだけで、皆さんぐんぐん成績が上がり始めます。受験勉強においては、そのくらい睡眠時間は重要です。

ただ、これを口で言うのは簡単なんですが、皆さんが実行するのはなかなか大変なところもあるはずです。

たとえば、皆さんが毎日朝6時に起きて高校に通っているとしましょう。睡眠時間が最低7時間必要だとすれば、寝るのは夜11時ということになります。

皆さん、夜11時に布団に入る生活が出来ていますか?

おそらく高校生の多くがもっと遅い時間まで起きているんじゃないかと思います。でもこの時間までに寝ることが、とても重要なんです。

夜11時に布団に入るためには、夜9時以降は、夕食を食べたりお風呂に入ったりする必要があるので、もう勉強は出来ません。必要な勉強はそれまでに終わらせる必要があります。

でも多くの高校生がこの時間帯に勉強しちゃっています。その結果、ズルズル寝るのが遅くなってしまうんですね。

でも夜9時以降は寝る準備の時間です。夜9時以降に勉強するのはやめましょう。

ここで「そんなこと言われても、放課後は夜7時まで部活だし、家に着いたら8時過ぎだし、それから勉強始めたら、夜10時や11時に寝るなんて、どう考えても無理!」という声が聞こえてきそうです。

睡眠時間は削れない。部活も忙しい。では、いつ勉強すればいいのか?

ここから、実は今回の動画で一番お伝えしたいと思っている「受験勉強の裏技」をお話していきます。

部活を最後まで続けたい、その中で受験勉強を始めなければいけない、でも睡眠時間を犠牲にしてはいけない。

そうすると、以下のような生活サイクルになります。

ではいったい、いつ勉強すれば良いのか?答えはこの3つです。

  1. 電車・バスなどの通学時間
  2. スキマ時間
  3. 学校の授業中

①と②は当たり前です。重要なのは、③学校の授業中です。

皆さんが、部活を続けながら、現役で早慶GMARCHなどの志望校に確実に合格したいと思うのであれば、学校にいる時間を有効活用するしかありません。

いわゆる「内職」です。

ここから、学校の先生は決して言えない、きれいごと抜きのお話になります。

建前を言えば、学校の授業というものは、すべて、きちんと受けるべきです。私にも小中学生の子どもが3人いるのですが、子ども達には「学校の先生の話は全部ちゃんと聞きなさい」と言っています。当たり前です。そして、皆さんも高校2年生までは、ちゃんと授業を大事にするべきです。

ですが、高校3年生になったら話は変わります。

部活を続ける、しかも現役で志望校に受かる。この2つが、皆さんが最も実現したい目標であるならば、よほど成績優秀で余裕がある生徒、または推薦狙いの生徒さん以外は、綺麗事を言っていられません。

1年で大学入試を突破するのに必要な学力を身に付けるためには、何かを捨てる必要があります。それが学校の授業です。

もし学校のすべての時間で、皆さんの合格に必要な素晴らしい授業を提供してくれるのであれば、一生懸命聞けば良いと思います。

でも、実際は、受験に必要ない科目も受講しなければならないし、受験科目であっても、自分のレベルに合わなかったり、先生の授業がイマイチで時間がもったいないと感じてしまうことがあるかと思います。

その時こそチャンスです。先ほどの週間計画表にある、その日自分が終わらせなければならない勉強をやってしまいましょう。いわゆる「内職」です。

大きな声では言えませんが、実はこれまでに受験で成功した全国の先輩たちの多くは、みんな少なからず、上手に内職をしながら受験勉強を進めていたのです。

ここに、かつて受験の神様と言われた精神科医の和田秀樹さんの著書があります。

この人は灘高校から東大医学部に合格し、大学受験指導の通信教育でも成功した方です。

ここには、なんと数十ページにわたって、先生に見つからない内職のコツが紹介されています(笑)

みんな、うまくやっているんですよ。

そしてこの能力を世間では「要領」と言います。

要領の良い人が、受験も成功し、社会でも成功するんですね。ちなみに和田秀樹さんの最初のベストセラーはこちら「受験は要領」というタイトルです。

皆さん、学校ではだいたい朝9時から午後3時くらいまで授業を受けているわけです。

その時間が受験勉強のゴールデンタイムです。

この時間(学校の授業中)になるべくその日の勉強の大半を終わらせて、残りの勉強を部活後の限られた時間で集中して片付ける。これが受験の必勝法、裏技です。

もちろん、この考え方を受け入れるかどうかは皆さん次第です。でも私が指導した生徒たちは、何十人もこの方法で部活を続けながら早慶GMARCHに現役で合格を果たしている、ということはぜひお伝えしたいと思います。

ここまで、今回は「一日何時間くらい勉強すべきか」「睡眠時間はどのくらい必要か」というテーマでお話をしてきました。

大事なのは時間ではなくて「内容」、つまり「何をやるか」ということ。そして、睡眠は最低7時間、できれば8時間以上が理想、それが勉強の「質」すなわち「集中力」につながるというお話でした。

次回は、受験戦略シリーズの第6回「塾・予備校に行かなくても合格できるのか」「塾・予備校に行くならどこが良いのか」というテーマでお話をします。

では、また次回の動画もお楽しみに。皆さんの受験勉強を応援しています!