高校2年生の秋・冬になると、多くの皆さんが
「やばい、そろそろ受験勉強を始めなくちゃ…」
「でも、部活は忙しいし、学校の定期テストの勉強もいつもかなり大変だし、どうすれば良いんだろう…」
という感じで悩み始めると思います。
そんな高校生のために「いつ受験勉強を始めるのがベストタイミングなのか?」「部活との両立をどう乗り越えるか?」というテーマでお話をします。
「早慶GMARCHへの現役合格を実現する受験戦略」シリーズ、第4回のYouTube動画はこちらです。
この動画と同じ内容を以下に文章で掲載します。
(旧ホームページにもたくさんの受験情報がありますので、急いで知りたい方はそちらも合わせてご覧ください。 https://gokaku-kobo.com)
今回は大学受験戦略論の第4回「部活との両立」「いつ受験勉強を始めるべきか」というテーマでお話をしていきます。
現役合格を目指すうえで最大のテーマと言えるかもしれないのが、この「部活と受験の両立」という問題です。
特に運動部系や吹奏楽部などは、部活動がかなりハードなことが多いので、現役高校生の皆さんを悩ませている問題だと思います。
高2生の2学期、3学期になると、多くの人が「そもそも、学校の定期テストの勉強だけでも精一杯なのに、その上部活も忙しくて、でも受験勉強もそろそろ始めなきゃいけないと思うし、ちょっとどうしよう、やばいんだけど…」という感じじゃないでしょうか。
そしてこれは「いつ受験勉強を本格的に始めるべきか」というテーマとも深く関係してきますので、一緒に話をしていきたいと思います。
まず、いつ受験勉強を始めるべきか、という問題の結論から申し上げます。受験勉強開始のベストタイミングは…
「高2の終わりの3月」です。
なぜ高2の3月がベストなのか?それは、高2の学年末テストが終わり、学校の勉強から解放されるタイミングだからです。
逆に言うと、高2の終わりの学年末テストが終わるまでは、慌てて受験勉強を始めるべきではありません。さらに言うと塾や予備校にも通うべきではありません。ここ,、めちゃくちゃ重要です。
「え、受験勉強って、始めるのは早ければ早いほど良いんじゃないの?」「普通は高2の2学期とか冬休みくらいから始めるんじゃないの?」「予備校も早めに行き始めた方が良いんじゃないの?」という疑問が出そうですね。
でもその何となくみんなが思っている常識の中に落とし穴があるんですよ。ここからよく聞いてくださいね。
こちらの図をご覧ください。この図を見ながら話を進めていきましょう。
一般的に、高1~高2生は、学校の定期テストの勉強がかなり大変なはずです。テスト前の期間はもちろん、普段の授業の期間も、次のテストに向けて、予習や復習、宿題などがかなりたくさんあるはずです。
ここに部活が重なっている人が多いので、もう高校生はとにかく忙しい。例えば、放課後は夜7時まで毎日部活があって、家に帰宅するのは8時~9時。それからご飯を食べてお風呂に入って、明日の準備をして、翌日の朝も早いので12時くらいには寝ておきたい。
そうすると、勉強時間はせいぜい1時間程度しか確保できません。おそらく最低限の宿題や、小テストの準備をしておしまいでしょう。
それで、ここで良くないのが、このとても忙しい生活の中で、あせって無理矢理、受験勉強を始めようとしてしまうことなんです。
もし、無理やり受験勉強を始めるとどうなるか。
たいていは、学校の勉強も受験勉強も両方とも、時間が全然足りず、両方とも中途半端になり、受験勉強も身にならない上に、学校の成績まで落ちてしまう、というパターンがすごく多いです。
このように、学校の勉強に加えて、受験勉強もしくは塾や予備校の勉強が重なる状況を「ダブルカリキュラム」と呼ぶのですが、このダブルカリキュラムが大きな失敗になってしまいがちなんですね。
受験勉強もしくは塾や予備校の勉強を頑張ろうとすることが、かえって学力を低下させてしまうことがよくあるんです。無理やり両方頑張ろうとして、睡眠時間を削ってしまう、というパターンもありますが、これも、体調面のコンディションを悪くして、学校の勉強にも部活動にも悪影響を与えてしまいます。
また今後の動画でお話しますが、受験を成功させるためには睡眠時間の確保はめちゃくちゃ重要なので、絶対に削ってはいけません。
だから、学校の勉強と部活が重なる、高2の終わりまでは、受験勉強を始めるべきではないんですね。
ここで「それで間に合うんですか?」という質問がよく出るんですが、先に回答を言うと、必ず間に合います。断言します。3月に始めれば大学合格に必要なプログラムは充分に消化できるので、それより前に始める必要はありません。
そして2年生の3月に始めて志望校に合格できない人は、2年生の10月や11月に始めても結局合格できません。それは始める時期の問題ではないからです。
次に「じゃあ、それまでは何もしなくて良いんですか」という質問が出ます。これも結論を言うと、やるべきことは山ほどあります。
「え、何言ってるの、意味わかんないんだけど。時間が無いから受験勉強やるなって、言ったばっかりじゃん。矛盾してるじゃん!」という感じかもしれませんね。
お答えします。高2の終わりまで、受験に向けて皆さんが全力で一生懸命に頑張るべきなのは、「学校の定期テスト勉強」です。
皆さん、学校の勉強だけじゃ、大学に合格できないと思い込んでいませんか?もちろん、高3になったら受験勉強が必要ですよ。でもね、高1~高2の間は、学校の勉強が大事なんですよ。それは将来に向けて、とかいうきれいごとではなくて、志望校に合格するために、学校のテスト勉強が重要なんです。
高1~高2で、英語であれば、5文型や仮定法などの英文法を一通り習いますよね。古文も文法を習います。社会も日本史や世界史の初めの方をやりますよね。これ全部、受験の範囲です。
高校受験をした人は、その時のことを思い出してください。レベルの高い高校に合格した子たちは、中1~中2の時に、学校の勉強をちゃんとやって、定期テストで高得点を取り続けた人たちですよね?
内申点のことじゃないですよ。そういう人たちじゃないと、高校入試で高得点を取れなかったはずです。中1中2で学校のテストで30~40点しか取れない人が、県立高校入試や都立高校入試で500点満点中、400点とか450という点数は取れなかったはずです。
同じように、大学受験においても、高1~高2の普段の授業や定期テストの勉強を大事にして、高得点を取り続けることが、大学合格に直結します。だから、高2の3学期の学年末テストまでは、学校の勉強を思いっきり、一生懸命頑張ってください。
ただ、ここでもガムシャラに頑張るだけが能ではありません。入試に向けて、戦略的に学校の勉強を利用することが大事です。特に受験を意識し始める高2の2学期くらいからの話です。
ここから、学校の先生は決して言えない、きれいごと抜きの、ぶっちゃけ話をすると、学校の勉強の中でも、受験で使う、英語・国語・社会の勉強に絞って、そこに時間とエネルギーを全集中させてください。裏を返して言えば、数学や理科の勉強は捨ててください。
英語や国語や社会に加えて、数学・物理・化学・生物・情報などもまじめに頑張って、それでも英国社のさ3科目で偏差値65以上取れる人なら、どうぞそのまま全科目を頑張ってください。もしくは浪人してから頑張ればいいや、という人も、のんびりやれば良いと思います。
でも、君の英国社の成績が、高2の後半の時期に早慶GMARCHを狙えるようなレベルにないのであれば、そしてそれでも部活をやりながら現役で早慶GMARCHに合格したいのであれば、大胆な戦略を選ぶ必要があります。
これは、「選択と集中」と呼ばれる、ビジネスの世界では、非常によく知られた戦略です。この戦略を用いれば、弱者が強者に勝利する可能性を一気に高めることができます。
言い換えると、何か大きなものを得るには、何かを「捨てる」決断が必要です。あなたは部活を最後までやり遂げたいんですよね?しかもそのうえで、有名大学に、現役で合格したいんですよね?
これって、けっこうぜいたくな望みなんですよ。多くのひとが、部活をあきらめるか、浪人するか、志望校に届かずにそれ以外の大学に行くことになるのが現実です。
その中で、さっきのようなぜいたくな願望を実現するためには、何かを捨てる必要があるんですね。
で、この「受験で使う3教科以外の勉強を捨てる」という決断をするためには、その前に前提となる重要な判断をしておく必要があります。
それは「推薦入試」を狙うかどうか、そして「国公立」を狙うかどうか、です。
言うまでもなく、推薦入試を狙うためには、全科目の評定平均が必要です。大学入試では、高3の1学期までの成績が必要となりますので、推薦を狙うのであれば、全科目の勉強を継続する必要があります。
また、国公立を狙うのであれば、数学や理科を捨てることは出来ません。
逆に「高1高2までの自分の評点では、良い大学の推薦は厳しそうだな」「国公立を併願するのもちょっと現実的ではないな」と考えているのであれば、思い切って、受験科目以外の勉強を切ることができます。
ちなみに、数学や理科の勉強を捨てると言っても、完全にやめてしまうのではなく、進級に必要な成績、つまり留年しないレベルの成績は取っておく必要があります。
これは当たり前です。でも、たとえば数学がすごく苦手なら、無理して高得点を狙わず、平均点で良いや、とか、赤点にならなければ良いや、という割り切りができれば、かなり時間とエネルギーの節約になるはずです。
まあ、文系の生徒だと、すでに数学や理科は赤点にならない点数を取るので精一杯という人が多いんですけどね。
そういう人であれば、なおさら、さっさと推薦や国公立はあきらめて、文系科目に時間とエネルギーを集中させるのが、受験戦略としても正解だし、なおかつ、数学や理科をどうにかしなきゃいけない!というプレッシャーからも解放させるので、高校生活ももっと楽しめるようになると思うんですよね。
実際、私のところに相談に来る高校2年生にこの話をすると、「え、そんなに数学とか無理して頑張らなくて良いんですか?それでも早慶に入ることもできちゃんですか!?」と言って、目を輝かせて帰る人が多いです。
で、ここまで聞くと、数学や理科を頑張らなくて良いんだ、これで楽をできるぞ~、と思う人もいるかもしれませんが、とんでもないです。これは、楽して良い大学に入るための戦略ではありません。
数学や理科の負担から解放させるからには、その時間とエネルギーを、すべて3教科の勉強に注ぎ込んでください。
いま、成績で苦しんでいるキミが、部活を続けながら、早慶GMARCHレベルの大学に逆転合格を実現したいのであれば、まず次の定期テストで、英・国・社の勉強に全力投球してください。わかりやすい具体的な目標も示しておきましょう。
それは、英語・国語・社会の各科目で「自己ベストの順位」を目指してください。たとえば、英語コミュニケーションの過去最高順位がクラスで15位だとしたら、14位以上を目指してください。
そして、英語コミュニケーション・論理表現・現代国語・言語文化・社会の選択科目のすべてで、自己最高順位を取ってください。いきなり1位とか3位以内とかを狙う必要はありません。それが現実的でないことが多いからです。現実的に可能で、なおかつ精一杯頑張らないと達成できない目標、それが自己ベストの更新なんです。
結構大変だと思いますが、いまその程度の頑張りが出来ないひとは、高3になっても頑張れないと思います。また、その努力が出来ない人が、どこかの予備校に通い始めたり、何か参考書を買ってきてちょこちょこ勉強してるつもりになっても、おそらく大きな成果を得ることはできないでしょう。
ここまでの話をまとめると、とにかく高2の学年末テストまでは、学校の定期テストの勉強を全力で頑張ること、早慶GMARCHに確実に現役合格したいのであれば、英国社の勉強に絞ること、そして3教科のテストでは自己ベストの成績が取れるように頑張るのが、受験成功の最短距離につながる努力だよ、ということになります。
ここまで部活との両立方法、そしていつ受験勉強を始めるべきか、というお話をしてきました。いかがだったでしょうか。
今回は受験戦略講座の第4回をお届けしました。次回の動画は第5回「1日何時間勉強すれば良いか」「受験生の睡眠時間はどれくらい確保すべきか」というテーマでお送りします。
では、また次回の動画もお楽しみに。
みなさんの受験勉強を応援しています!